の・ぶ 【伸ぶ・延ぶ】 >[一]自動詞 バ行上二段活用活用{び/び/ぶ/ぶる/ぶれ/びよ} ①伸びる。長くなる。出典源氏物語 総角「皺(しわ)のぶる心地(ここち)して」[訳] 皺が伸びる(ような)気持ちがして。②延びる。遅れる。出典源氏物語 朝顔「いとどしき命やのび侍(はべ)らむ」[訳] こんなにまで生きながらえた命が、また延びるのでしょうか。③のんびりする。ゆったりする。出典源氏物語 絵合「空もうららかにて、人の心ものび」[訳] 空のようすもうららかで、人の心ものんびりし。④逃げのびる。落ちのびる。出典平家物語 四・宮御最期「今は宮も遥(はる)かにのびさせ給(たま)ひぬらん」[訳] 今はもう宮も遥か遠くに逃げのびあそばされているだろう。⑤(倹約して)たまる。 >[二]他動詞 バ行下二段活用活用{べ/べ/ぶ/ぶる/ぶれ/べよ}①伸ばす。長くする。出典霊異記 下「その頸(くび)を張りのべ、打ち殺さむとせしとき」[訳] その首を引っぱり伸ばし、打ち殺そうとしたときに。②延ばす。延期する。出典源氏物語 蜻蛉「日をのべても、さる事はするものを」[訳] 日を延期しても、そうしたことはするものであるのに。③のんびりさせる。ゆったりとさせる。出典万葉集 一八八二「春の野に心のべむと思ふどち」[訳] 春の野辺に気持ちをのんびりさせようと思う仲間同士が。 |