ゆ・ふ 【結ふ】 他動詞 ハ行四段活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ} ①結ぶ。縛(しば)る。出典万葉集 三九五〇「家にしてゆひてし紐(ひも)を解き放(さ)けず」[訳] 家で結んだ紐を解き放たずに。②髪を調え結ぶ。髪を結う。出典源氏物語 桐壺「みづらゆひ給(たま)へる面(つら)つき、顔のにほひ、さま変へ給はむこと惜しげなり」[訳] (少年の髪型である)みずらに髪を結いなさった顔立ち、顔の美しさは、(元服して)童姿をお変えなさることが残念なようである。③組み立てる。作り構える。こしらえる。出典徒然草 五一「こしらへさせられければ、やすらかにゆひて参らせたりけるが」[訳] (水車を)造らせなさったところ、たやすく組み立てて差し上げたのだったが。④縫う。つくろう。糸などで結び合わせる。出典枕草子 宮の五節いださせ給ふに「几帳(きちやう)どものほころびゆひつつ」[訳] 几帳のぬい残したところをつくろいながら。 参考「ゆふ」と「むすぶ」の違い 「ゆふ」も「むすぶ」も紐状のものをからみ合わせるという点で同じ意を表すが、本来、「ゆふ」は、ある形に作りなすという面が強く、「むすぶ」は、固定して離れないようにするという面が強いとみられる。 |