うつ・し 【現し・顕し】 形容詞 シク活用活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ} ①実際に存在する。事実としてある。生きている。出典万葉集 三三三二「山ながらかくもうつしく」[訳] 山そのものとしてこのように実際に存在し。②正気だ。意識が確かだ。出典万葉集 三七五二「春の日のうら悲しきに後れ居て君に恋ひつつうつしけめやも」[訳] 春の日がもの悲しいのに、家に残っていて、あなたを恋しく思いながら正気でいられるだろうか、いや、いられない。◇「うつしけ」は上代の未然形。 |