はた 【将】 >[一]副詞① …もまた。やはり。さらにまた。▽二つの事柄の並立を表す。出典枕草子 春はあけぼの「日入り果てて、風の音(おと)、虫の音(ね)など、はた言ふべきにあらず」[訳] 日がすっかり沈んでしまって、(耳に聞こえてくる)風の音や虫の鳴き声など(の趣のあることは)、さらにまた言うまでもない。②しかしながら、やはり。そうはいうものの。さりとて。▽二つの事柄の対立を表す。出典紫式部日記 消息文「かう読ませ給(たま)ひなどすること、はた、かのもの言ひの内侍(ないし)は、え聞かざるべし」[訳] こうして(中宮様が私に漢籍を)お読ませになったりしていることまでは、そうはいうものの、あの口うるさい内侍は、まだ聞きつけていないだろう。③〔下に打消の語を伴って〕言うまでもなく。おそらく。決して。出典今昔物語集 二五・九「この浅き道、はたえ知られじ」[訳] この(水の深さの)浅い道は、おそらくお知りにならないだろう。④もしかすると。ひょっとして。出典日本書紀 崇峻「はた、敗らるること無からむや」[訳] もしかすると、うち負かされることはないだろうか。⑤なんとまあ。それにしてもまあ。出典源氏物語 帚木「いで、あな悲し。かくはたおぼしなりにけるよ」[訳] まあ、ほんとうに悲しいこと。こんなにまでそれにしてもまあご決心なさってしまったことだね。 >[二]接続詞あるいは。それとも。出典奥の細道 福井「『いかに老いさらぼひてあるにや、はた死にけるにや』と人に尋ね侍(はべ)れば」[訳] 「(今では)どんなに老いぼれているのだろうか、あるいは死んだのだろうか」と人に尋ねますと。 ショウ 【上・正・生・庄・床・声・性・尚・姓・荘・相・清・省・将・唱・笙・菖・装・掌・聖・鉦・障・箏・精・請・賞】 ⇒しゃう |