く・し 【奇し】 形容詞 シク活用活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ} 「くすし①」に同じ。出典続日本紀 天平神護一「天地(あめつち)の明らけきくしき徴(しるし)」[訳] 天地のけがれのない神秘的なきざし。 くす・し 【奇し】 形容詞 シク活用活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}①神秘的だ。不思議だ。霊妙な力がある。出典万葉集 三八八「わたつみはくすしきものか」[訳] 海の神は霊妙な力があるものだなあ。②固苦しい。窮屈だ。不自然でそぐわない感じだ。出典枕草子 鳥は「口惜しくくすしき心地する」[訳] 残念で、そぐわない感じがする。 参考「くすし」と「あやし」「けし」の違い 類義語「あやし」はふつうと違って理解しがたいもの、「けし」はいつもと違って好ましくないものにいうことが多いのに対して、「くすし」は神秘的なものにいう。 |