あは・す 【合はす】 >[一]他動詞 サ行下二段活用活用{せ/せ/す/する/すれ/せよ} ①合わせる。出典源氏物語 桐壺「こなたかなた心をあはせて、はしたなめ煩はせ給(たま)ふ時も多かり」[訳] こちらとあちらで心を一つに合わせて、(桐壺更衣(きりつぼのこうい)を)きまりの悪い目にあわせ、悩ませなさる時も多い。②合奏する。出典源氏物語 若菜下「箏(さう)・琵琶(びは)の音(ね)もあはせて」[訳] 箏・琵琶の音も合奏して。③結婚させる。出典伊勢物語 二三「女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども、聞かでなむありける」[訳] 女はこの男を(夫にしたい)と思い続けて、親が(他の男と)結婚させようとするけれども、承知しないでいたのだった。④(優劣を)対比させる。出典源氏物語 絵合「竹取の翁(おきな)に、宇津保の俊蔭(としかげ)をあはせて争ふ」[訳] 『竹取の翁の物語』に、『宇津保物語』の俊蔭を対比させて(絵の)優劣を競う。⑤夢占いをする。(夢で)吉凶を判断する。出典更級日記 夫の死「夢解(と)きもあはせしかども、そのことは一つかなはでやみぬ」[訳] 夢占いも吉凶を判断したけれども、そんなことは一つも当たらずに終わってしまった。 >[二]補助動詞 サ行下二段活用活用{せ/せ/す/する/すれ/せよ}〔動詞の連用形に付いて〕互いに…する。同時に…する。出典源氏物語 玉鬘「語らひあはすべき人もなし」[訳] 互いに相談することのできる人もいない。 |