ぶん 【分】 名詞① 分け前。割り当て。②程度。(その)くらい。出典萩大名 狂言「そのぶんは苦しうござらぬ」[訳] その程度のことは不都合ではございません。③身の程。分際。出典徒然草 一三一「貧しくてぶんを知らざれば盗み」[訳] 貧しくて身の程を知らなければ盗み(を働いて)。④(限定された)状況・状態。出典日本永代蔵 浮世・西鶴「このぶんにて通るべきや」[訳] この(諸芸に達者であるという)状態で生きていくことができるだろうか。⑤仮にそういう扱いにすること。名目上の扱い。▽多く、接尾語のように用いる。出典世間胸算用 浮世・西鶴「その客死にぶんにして」[訳] その客は名目上死者扱いにして。 -ぶ 【分】 接尾語①全体の数量を幾つかに等分することを表す。出典大鏡 時平「四ぶ一の家」[訳] (一町の)四分の一の家。②十等分したものの割合を表す単位。出典世間胸算用 浮世・西鶴「四ぶ払ひ」[訳] 四割払い。③長さの単位。寸の十分の一。一分は約三ミリメートル。④重さの単位。匁の十分の一。一分は約〇・三七五グラム。⑤金銀貨の単位。両の四分の一。◇「歩」とも書く。 ぶ 【分】 名詞程度。割合。出典椿説弓張月 読本「力すでに衰へては、弓もまたぶを減ぜしが」[訳] (為朝(ためとも)は)力がすでに衰え(た今となっ)ては、弓もまた(張りの強さの)程度を低くしたが。 -ふん 【分】 接尾語江戸時代の、銀貨を量るときの単位。一分は一匁(もんめ)の十分の一、一厘(りん)の十倍。「ぷん」とも。 |