け-りゃう 【仮令】 副詞① 一体に。たいがい。およそ。出典吾妻鏡 「けりゃう五万騎に及ぶべし」[訳] およそ五万騎に及ぶであろう。②たとえば。出典風姿花伝 二「けりゃう、木樵(きこり)・草刈り・炭焼き・汐汲(しほく)みなどの風情にもなるべき態(わざ)をば」[訳] たとえば、木樵・草刈り・炭焼き・汐汲みなどといった趣のあるしぐさにもなり得るような姿態は。③〔多く、下に「…ばこそ」を伴って〕たまたま。さいわいに。出典薩摩歌 浄瑠・近松「けりゃう道を守ればこそ、もし気がそれていたづらしたら」[訳] たまたま(女の)道を守っていればこそ(よかったようなものの)、もし心が離れて、不義をしたら。 たとひ 【仮令・縦ひ】 副詞①〔下に助詞「ば」を伴って〕もし…(ならば)。▽順接の仮定条件と呼応する。出典日本書紀 雄略「たとひ、星川、志(こころ)を得て共に国家(くにいへ)を治めば」[訳] もし、星川が志を持って共に国家を治めたならば。②〔下に助詞「とも」などを伴って〕かりに…(ても)。たとえ…(ても)。▽逆接の仮定条件と呼応する。出典徒然草 五三「たとひ耳鼻こそ切れ失(う)すとも」[訳] たとえ耳や鼻が切れてなくなるとしても。 |