と・く 【解く】 >[一]他動詞 カ行四段活用活用{か/き/く/く/け/け} ①ほどく。出典諸国ばなし 浮世・西鶴「上座から帯をとけば、その次も改めける」[訳] 上座の者から帯をほどくと、その次の者も調べた。②取り外す。脱ぐ。出典今昔物語集 二五・一二「いまだ装束もとかで丸寝(まろね)にてありければ」[訳] まだ昼の衣装も脱がないで、着衣のまま寝ていたので。③ほぐして整える。(櫛(くし)で)すく。出典源氏物語 手習「とき果てたれば、つやつやと清(けう)らなり」[訳] (髪は)すっかり(櫛で)すき終わっていたので、つやつやと光沢があって美しい。④答えを出す。解答する。出典徒然草 一〇三「なぞなぞを作りてとかれけるところへ」[訳] なぞなぞを作って解答を出しておられたところへ。 >[二]自動詞 カ行下二段活用活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}①ほどける。出典万葉集 三一四六「草枕(くさまくら)(=枕詞(まくらことば))旅の衣の紐(ひも)とけぬ」[訳] 旅の衣のひもがほどけて。②消える。なくなる。出典源氏物語 少女「その恨みはおのづからとけ侍(はべ)りなむ」[訳] その不平は自然にきっと消えていくでしょう。③うちとける。安心する。出典源氏物語 帚木「君はとけても寝られ給(たま)はず」[訳] 源氏の君はうちとけて休むこともおできにならず。④官職から離れる。出典古今集 雑下「左近(さこん)の将監(しやうげん)とけて侍(はべ)りける時に」[訳] 左近の将監の職から離れておりました時に。 |