み・す 【見す】 >[一]他動詞 サ行四段活用活用{さ/し/す/す/せ/せ} ご覧になる。▽「見る」の尊敬語。出典日本書紀 継体「御諸(みもろ)が上に登り立ち我が見せば」[訳] 御諸山の上に登り立って私がご覧になると。◇用例は自敬表現。 >[二]他動詞 サ行下二段活用{語幹〈み〉}①見せる。見させる。見るようにさせる。出典枕草子 うつくしきもの「いとをかしげなる指(および)にとらへて、大人などにみせたる」[訳] (幼児が塵(ちり)を)たいそう愛らしい指につまんで、大人などに見せているの。②嫁がせる。結婚させる。出典源氏物語 若菜下「宮仕へに次ぎては、親王(みこ)たちにこそはみせ奉らめ」[訳] (大切にしている娘を)帝(みかど)への宮仕え(をさせるかそれ)に次いでは、親王たちに嫁がせ申し上げるのがよかろう。③占わせる。判断させる。出典源氏物語 明石「しのびて、よろしき日みせて」[訳] (明石の入道は)こっそりと、(陰陽師(おんようじ)に)吉日を占わせて。 め・す 【見す・看す】 他動詞 サ行四段活用活用{さ/し/す/す/せ/せ}①ご覧になる。▽「見る」の尊敬語。出典万葉集 四七九「愛(は)しきかも皇子(みこ)の命(みこと)のあり通ひめしし活道(いくぢ)の路は荒れにけり」[訳] まことに惜しいことだなあ。皇子様がいつもお出掛けになってご覧になった活道山の道は(今はもう)すっかり荒れはててしまったよ。②お治めになる。ご統治なさる。▽「治む」の尊敬語。出典万葉集 一〇〇五「やすみしし(=枕詞(まくらことば))わご大君のめし給(たま)ふ吉野の宮は」[訳] わが天皇様がお治めになっていらっしゃる吉野の離宮は。 参考動詞「み(見)る」の未然形に尊敬の助動詞「す」(四段活用)が付いた「みす」の変化した語。上代にだけ使用された。 |