あば・る 【荒る】 自動詞 ラ行下二段活用活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ} 荒れ果てる。荒廃する。出典源氏物語 末摘花「むかひたる廊の上もなくあばれたれば」[訳] 向かい側の廊下の屋根もなく荒れ果てているので。 あ・る 【荒る】 自動詞 ラ行下二段活用活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}①荒れる。荒れ騒ぐ。出典土佐日記 一・九「海はあるれども、心は少しなぎぬ」[訳] 海は荒れるけれども、心はいくらか穏やかになった。②荒れ果てる。荒廃する。出典万葉集 三三「あれたる都見れば悲しも」[訳] 荒れ果てた都を見ると悲しいことよ。③すさむ。出典土佐日記 二・一六「家に預けたりつる人の心も、あれたるなりけり」[訳] (留守中)家に預けておいた人(=家を託してあった留守番の人)の心もまた、(この家と同様に)すさんでいたのだ。④興ざめする。出典平家物語 五・文覚被流「御遊(ぎよいう)もはやあれにけり」[訳] 管弦のお遊びはもう興ざめしてしまった。 |