せ-・す 【為す】 分類連語 なさる。あそばす。出典万葉集 三八「わご大君神(かむ)ながら神さびせすと」[訳] わが天皇が、神そのものとして、神として行動なさるといって。◆上代語。 なりたちサ変動詞「す」の未然形+上代の尊敬の助動詞「す」 な・す 【為す・成す】 >[一]他動詞 サ行四段活用活用{さ/し/す/す/せ/せ}①実行する。行う。出典徒然草 一八九「けふはそのことをなさんと思へど、あらぬ急ぎまづ出(い)できて」[訳] 今日はそのことをしようと思っても、思いもかけない急なことが先にできて。②変える。…にする。ならせる。出典徒然草 一八八「ある者、子を法師になして」[訳] ある人が、子を僧侶(そうりよ)にして。③作り上げる。実現する。成就する。出典徒然草 一八八「目の前のことにのみ紛れて月日を送れば、ことごとなすことなくして、身は老いぬ」[訳] 目の前のことにだけ心を奪われて月日を過ごすので、どれもこれも成就することがないままで、(わが)身は老いてしまう。 >[二]補助動詞 サ行四段活用活用{さ/し/す/す/せ/せ}〔動詞の連用形に付いて〕ことさらに…する。出典源氏物語 若紫「顔はいと赤くすりなして立てり」[訳] 顔は(泣いたらしく)たいそう赤くことさらにこすって(尼君のそばに)立っている。 |