ほふ 【法】 名詞① 存在するいっさいの事象。また、いっさいの事象を成り立たせる原理。②仏の教え。仏道。仏法。出典徒然草 九七「君子に仁義あり、僧にほふあり」[訳] 品格のりっぱな人には仁義があり、僧には仏法がある。③祈禱(きとう)。修法(ずほう)。出典方丈記 「なべてならぬほふども行はるれど、更にそのしるしなし」[訳] 並ひととおりでない祈禱や修法が行われるが、いっこうにその効き目はない。◆仏教語。 参考「法」の仮名づかいには、呉音の「ほふ」と、漢音の「はふ」とがあり、仏教語の場合には通常呉音を用いる。⇒はふ(法) はふ 【法】 名詞①とりきめ。きまり。②法律。③しかた。方法。 参考「法」には、漢音の「はふ」と呉音の「ほふ」との二つの仮名づかいがあり、前者はきまり・方法などの意の場合、後者は仏法をいう仏教語の場合と、使い分けられている。⇒ほふ(法) ホウ 【法】 ⇒ほふ(呉音(ごおん)。仏教関係の語) ホウ 【法】 ⇒はふ(漢音。仏教関係以外の語) のり 【法・則】 名詞①規準。模範。手本。出典日本書紀 神代下「その宮を造るのりは、柱は高く太し」[訳] その宮殿を造る規準は、柱は高く太い。②規則。法律。法令。出典徒然草 一四二「人を苦しめ、のりを犯さしめて、それを罪なはんこと、不便(ふびん)のわざなり」[訳] 人を苦しめ、法律を犯させて、それを処罰するようなことは、かわいそうなことである。③仏の教え。仏法。仏道。出典源氏物語 御法「薪こる思ひは今日を初めにてこの世に願ふのりぞはるけき」[訳] 仏を信じる思いは今日がはじめてで、今後、この現世で願う仏法の道は末長く続くでしょう。 |