二十四年，春二月丁未朔一，詔曰：「自磐余彥いはれびこ之帝、水間城みまき之王，皆賴博物之臣ものしれるまへつきみ，明哲之佐さかしきたすけ。故，道臣陳のべ謨，而神日本かむやまと以盛；大彥おほびこ申略はかりごと，而膽瓊殖いにゑ用隆。及乎繼體ひつぎ之君，欲立中興之功なかごろおこるいたはり者，曷嘗いづれかむかしより不賴賢哲さかしき之謨謀乎？爰降小泊瀨武烈天皇之王天下，幸承前聖さきのひじり，隆平さかえたひらぐ日久。俗ひとびと漸蔽くらい而不寤，政まつりごと浸衰おとろへる而不改。但須其人各以類進。有大略たばかり者，不問其所短たらぬ。有高才者，不非其所失あやまつ。故獲奉宗廟，不危社稷。由是觀之，豈非明佐。朕承帝業あまつひつぎ，於今二十四年。天下清泰すみゆたかにす，內外うちと無虞，土脈膏腴こえる，穀稼たなつもの有實。竊恐元元おほみたから，由斯生俗ならひ，籍此成驕おごり。故令人舉廉節きよくかたきひと，宣揚大道おほきなるみち，流通鴻化おほきなるのり。能官つかさめしす之事，自古為難。爰暨いたる朕身，豈不慎歟。」